シーCラベル
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シーCラベル®とは、温室効果ガスであるCO₂(二酸化炭素)を吸って成長する樹木が
どの程度、吸収・固定するかをわかりやすく表示した樹名札です。

シースゥちゃん
シースゥちゃん

空気中のCO₂を吸って太陽光と水分により光合成をおこなって炭素を固定して成長

樹木は図のように空気中のCO₂を吸って、太陽光と水分により光合成をおこなって炭素を固定して成長します。

その際に私たちが生きていくために必要な酸素も放出します。

樹木って本当にエライ!

シーCラベルは樹木の名前を伝えると同時に、樹木が成長とともに吸収固定するCO₂の量を500mlペットボトルの容積に換算し、わかりやすく表示しています。

  • 低木や特殊樹(ヤシ・タケなど)は、吸収固定量の算出方法が確立されていないため下記の表示とは異なります。

シーCラベル®表示例
シーCラベル表示例

  1. 1年間のCO₂固定量

    この形状の樹木が1年間、材や枝葉として蓄えられる炭素量の重さをCO₂換算して表示しています。

  2. 植付け時の幹径または樹高

    CO₂固定量は、樹木の成長段階によって変化します。よってCO₂固定量概算値の根拠となる植付時の樹木の形状を幹径または樹高で表示しています。

    • 幹径は、地上高約1.2m付近の幹の直径で、円周ではありません。
  3. 幹径がわかるスケール

    幹径の違いからわかるCO₂固定量を表示したスケールです。幹に巻かれた樹名札は幹径をはかる目安となります。

  4. ペットボトル換算量

    1年間のCO₂固定量を500mlペットボトルの容積に換算した時の本数を表示しています。

シーCラベルの名前の由来

  • シー”は英語のseeから来ており、CO₂固定量の「見える」「わかる」を意味します。
  • C”は、まさに炭素の化学記号Cで炭素固定の仕組みの「見える化」をはかったラベル(名札)という意味です。

シーCラベルのQ&A

シーCラベルは(社)日本造園建設業協会の「日造協が考える緑化樹木のCO₂吸収のめやす」に準拠しています。この計算方法は「1本の木が吸収固定する二酸化炭素」を表現する方法として適しています。

シーCラベルが採用している単木あたりの基準以外では、

  1. 葉の面積を基準
  2. 緑地(森林)の面積を基準

として算出する研究データがあります。

植物は下図のように光合成によって有機化合物をつくり、幹や根などを増加させて成長します。

植物成長過程の図

この純成長量(炭素固定量)をシーCラベルは二酸化炭素に換算し直して表記しています。 よって、幹などとして固定された量であり吸収したCO₂の総量とは等しくないということです。

カーボンオフセットは発生させてしまった温室効果ガス(GHG)のうち削減しきれない分を費用負担(クレジット購入)することで相殺しようとすることを指しますが、シーCラベルはカーボンオフセットの手段ではありません。

シーCラベルはあくまで植物がCO₂の吸収・固定する量をラベル表記することで植物のもつ働きを見える化し、環境意識の向上を図ることを目的としています。

例えば1世帯当たりの家庭の冷房使用から排出されるCO₂量は約128kg/年とされています。 これを吸収固定するには高さ8mの木が約5本必要です。

このように樹木1本が吸収固定する二酸化炭素は微量ですが、私達が地球にやさしい生活を心掛け排出量を減らしつつ、継続的により多くの緑を復元・保全・利用することが地球環境には重要と考えられます。

  • 「日本国温室効果ガスインベントリ報告書」より

1年間の吸収固定量は樹木の成長過程により異なるとされています。一般に、幼齢期から若齢期にかけては増加し続けますが、若齢期から高齢期、そして老齢期にかけては少しずつ減少していきます。

樹種や気候・管理条件にもよりますが、出芽後40年程度までは若齢期に入ると考えられます。

したがって、シーCラベルが取り付けられている樹木は新しく植えられたものが多いため、しばらくの間、吸収固定量は増え続けると考えられます。

樹木がCO₂を吸収して固定する仕組み

樹木は地球環境で問題となっている温室効果ガス(CO₂)を吸収・固定し成長するため、地球温暖化防止に大きく貢献しています。

CO₂のC(炭素)がセルロースなど木質化し、成長します。

炭素を固定して成長する
炭素を固定して成長する

吸収固定には「光合成」という光エネルギーを使用した化学反応によって行われます。それは樹木の葉の中の葉緑体で行われます。

植物の多くが緑色なのは、光合成をする葉緑体を持っているからなのです。

光合成イラスト

葉緑体の中で行われる光合成とはどのような化学反応なのでしょうか?

光合成とは?

葉緑体の中で営まれる光合成の仕組みは以下の通りとなります。

光合成は、光エネルギーを使用した明反応と光エネルギーを使わない暗反応に分けられます。

明反応は、光エネルギーによりクロロフィルと呼ばれる色素が活性化することでH₂O(水)を分解します。
その際発生したO₂(酸素)は気孔から放出されます。そしてH(水素)はNADPと呼ばれる補酵素によってNADPHとして、またH₂Oの分解により得られたエネルギーはADP(アデノシン二リン酸)がATP(アデノシン三リン酸)という物質に変化をすることで蓄えられ、次の暗反応へ運ばれます。リン酸が結合した状態がATP、リン酸が放出された状態がADPであり、リン酸の結合と放出と並行して生体維持に必要なエネルギーが貯蓄・放出されるため、ATP・ADPは「生体のエネルギー通貨」と呼ばれます。

暗反応は、気孔から取り込んだCO₂(二酸化炭素)を還元する反応(カルビン・ベンソン回路)です。
ATPの持つエネルギーとNADPの運んだHにより、CO₂からC₆H₁₂O₆(炭水化物)とH₂Oが作られます。そして、Hを離したNADPと、エネルギーを使ったADPは明反応に戻ります。
この回路はカルビン、ベンソンによって研究され1961年にノーベル賞を受賞しています。

光合成とは

光合成まとめ

光合成反応の化学式

光合成の収支式は以下の通りとなります。

6CO₂ + 12H₂O + 光エネルギー

C₆H₁₂O₆

6H₂O + 6O₂

これを図にすると以下のようになります。

光合成まとめ

光合成の副産物として私たちが生きていくのにかかせない酸素が放出されます

C₆H₁₂O₆は「」でこれが様々な形で樹木の枝葉に蓄積されます。
わかりやすく例えるなら私たちが食べているコメや野菜や果物もC₆H₁₂O₆が基になってできています。